2016年7月8日、東京・ローマ

2016年7月8日、東京・ローマ バチカン図書館、デジタ・バチカーナ、NTTデータ、キ ヤノ ン、最新技術を用いて、バチカン図書館が保有する最も古い手書き文献である「バチカン版ウェルギリウス」のページ22r の精巧な複製品を作成することに合意しました。デジタ・バチカーナは、500ユーロ以上のご寄付を下さった先着200名様への特別限定ギフト として、バチカン図書館公式認定の当複製品を贈呈致します。本日より寄付の受付を開始し、2016年9月1日より皆様に配布を行う予定です。

「バチカン版ウェルギリウス」は西暦400年頃に作成された文献で、アエネーイスの記述を含む最古の手書き文献の1つです。50枚の挿絵を含む76ページからなる文献で、対象となるページ22rには、妻クレウサが戦争に向かうアエネイアースを引き留めようとする様子が描かれています。キ ヤノ ン が保有する素材の質感を再現できるプリント技術を用いて、約1600年前の文献素材の質感や凸凹、古代ローマの技法で描かれた挿絵部の色彩などを再現した精巧な複製品を作成します。

2014年からNTTデータの技術支援を得ながら推進している電子化作業において、高精細な文献の画像を獲得することが出来るようになりました。今回、キ ヤノ ンが保有する質感画像処理技術と、キ ヤノ ンのグループ会社であるオセ社の隆起印刷技術を用いることで、文献の素材、色合い、表面の凸凹などの質感を再現した特別な複製品を作成することに成功しました。このスペシャル複製ギフトを、限定で先着200名の寄付者（500ユーロ以上寄付いただいた方）に贈呈致します。このように電子化プロジェクトによって、文献を保管するだけでなく、文化遺産を広く普及することも出来るのだと、私たちは考えています。